そして現在。

怒涛の夏休みも終わって9月

屋上の会話を最後に先輩と僕は会わなくなった。

別に喧嘩したとかそういうことじゃなくて

ただ単に登校日が終わったからだ。

そして登校最終日から9月初めまでの間に

告白とか付き合うとか

なんだか青臭いこともあったりしたが

ここに記すのはやめておく。

そんなに聞いたって面白くないし、あっさりしたものだったから逆に聞いてもしかたないような気がするからだ。


廿九日燕彦。天宮高校2年。17歳。根暗で卑屈で最悪なやつ。

晴披露織。天宮高校3年。18歳。美人でかわいらしく学年トップをとり続ける女。


人間と神様。

僕がみた夏はその程度のものだった。

9月中旬だというのに

今日も太陽はさんさんと降り注いでいる。

まるで嫌がらせみたいだ。

子供の頃に描いた想像通り

神様はきらきらしていて優しい存在だった。

「燕彦君!久しぶり!」

ぱたぱたと僕に向かって走ってくる女の子がいた。

はるまき つゆり

世界で一番大切な女の子。

世界一卑屈な人間に大切に慣れてる女の子。

そんな言い方したら彼女はまた怒るんだろうなぁ。なんて思いながら

惚気話はこのあたりでやめておく。

「露織先輩、久しぶりです。」


少年が見た夏


『神様中心論』これにて閉幕。